また受験を考えることに…高校無償化と都立中倍率の変化が気になって調べてみた話~前編~
娘が3年生になって、また受験のことを考え始めた
息子が都立中の受験を終えてから、早くも1年。
中学2年生になった今では、部活や友達とのやりとりに夢中で、すっかり「受験」の“じ”の字も出てこないような日々を送っています。
私自身もこの1年は、受験から離れて、ちょっとひと息。
塾も模試もない週末が、こんなにのんびり過ごせるなんて…って、少しだけ解放感も感じていました。
そんな中、今年小3になった娘を見ていて、「ああ、またあの“受験を考える時期”が始まるのかな…」という気持ちが、少しずつよみがえってきました。
最近は「高校の授業料が無償化される」というニュースをよく見かけますよね。
私も最初は「いい制度だな〜」と思っていたんですが、ふと「これって都立中の受験に影響が出てきたりするのかな?」と気になり始めました。
というのも、息子の受験のときに比べて、都立中の倍率がちょっと下がったという話も耳にするようになって。
「高校無償化で私立高校が選びやすくなったから、中学受験はしない家庭が増えている?」
「都立中の人気は落ちてきてるの?」
そんな疑問がふくらんできて、つい昨年(2024年度)と今年(2025年度)の都立中受験のデータをあらためて比べてみることにしたんです。
そして調べてみると、倍率の数字以上に見えてきたものがいくつもありました。
この記事では、母として一度受験を経験したからこそ気づけた視点で、2024年度と2025年度の都立中受験の変化や背景を、私なりにまとめてみました。
「うちも受験するか迷ってる」というママや、「都立中って今どうなの?」と気になっている方のヒントになればうれしいです。
都立中受験、今年(2025年)はどうだった?
娘のことを考え始めてから、なんとなく気になっていた「都立中の倍率」。
「2025年度は倍率が下がった」とニュースでも取り上げられていたので、ほんとにそんなに変わったの?と気になって、学校別に比べてみることにしました。
📊 都立中高一貫校(男子)の倍率比較(2024→2025)
学校名 | 2024年度倍率 | 2025年度倍率 | 増減 |
---|---|---|---|
小石川 | 5.59倍 | 5.17倍 | -0.42 |
両国 | 4.57倍 | 4.38倍 | -0.19 |
白鷗 | 3.56倍 | 3.48倍 | -0.08 |
桜修館 | 4.13倍 | 4.06倍 | -0.07 |
九段 | 3.96倍 | 3.87倍 | -0.09 |
三鷹 | 2.89倍 | 2.70倍 | -0.19 |
立川国際 | 3.42倍 | 2.89倍 | -0.53 |
南多摩 | 3.41倍 | 3.27倍 | -0.14 |
武蔵 | 2.47倍 | 2.38倍 | -0.09 |
富士 | 2.79倍 | 2.68倍 | -0.11 |
※東京都教育委員会発表のデータをもとに作成(男子倍率のみ)
※2025年度は出願最終時点の倍率
こうして見てみると、「確かに全体的に倍率は下がってる」けれど、大きく変化した学校はごく一部。
話題になっていたわりに、「えっ、そんなに変わってないじゃん?」って思ったのが正直な感想でした。
それに、小石川や両国のような人気校は、依然として5倍前後の高倍率をキープしていますし、
立川国際のように少し下がった学校でも、3倍近い倍率はあります。
倍率が下がった=チャンス!と思いたい気持ちもあるけれど、実際はまだまだ「都立中って人気あるな」という印象です。
💭 都立中が“現実的な選択肢”である理由
ニュースで高校授業料の無償化が話題になったことで、
「じゃあ中学受験しなくても、高校から私立でもよくない?」という考え方が広がっているのかもしれません。
たしかに、私立高校の学費が実質タダになるのは、家計的にはとても助かります。
でも、中学3年間は対象外。
私立中に進学すれば、その3年間は授業料・施設費・教材費・制服代…と、かなりの持ち出しになるのが現実です。
我が家は、息子が都立中に不合格になったあと、私立中への進学を選びましたが、正直、毎月の費用はかなり負担です…。
しかも、授業料以外にも思わぬ出費が多くて、入学前に聞いてたより高いな…と感じたことも。
そう思うと、やっぱり「学費は抑えたいけど、しっかり学べる環境で6年間過ごさせたい」という思いにぴったりなのが、都立中高一貫校なのかなとあらためて感じます。
倍率がちょっと落ち着いたことで、「なんとなく敷居が下がったように見える」都立中だけど、
実際には受ける子たちの本気度はむしろ上がっている印象も。
ママたちの間でも、「中途半端な気持ちじゃ通らない」っていう認識は、年々強くなってきている気がします。
なんで倍率が下がったの?ママ目線で感じたこと
2025年度の都立中学受験、確かに倍率は少し下がっていました。
でも、実際に数字を見てみると「騒がれるほど大きな変化じゃないかも?」というのが私の本音です。
とはいえ、なぜ下がったのかを考えてみると、受験生を取り巻く環境や家庭の考え方が、少しずつ変わってきている気がします。
「とりあえず受けてみる」が減ってきた?
息子が受験したとき、同じ塾に通っていた子たちの中には、
「とりあえず都立中を受けてみようか」と、そこまで深く考えずに挑戦するご家庭も結構いました。
ところが、いざ不合格になると、私立中に進む子はごく一部で、ほとんどの子がそのまま地元の公立中に進学していたんです。
我が家は都立中にご縁がなかったあと、私立中を選びましたが、
てっきり「みんなもそうするだろう」と思っていた私はちょっと驚きました。
今思えば、それは中学受験の“当たり前”が変化しているサインだったのかもしれません。
マインドが変わった「不合格=恥ずかしい」じゃない時代に
私たち親世代が子どもだった頃って、
中学受験ってすごく特別なことだったし、受験する子は少数派。
しかも、不合格になったら“恥ずかしい”っていう空気、どこかにありましたよね。
「落ちたからって地元中には行けない、どこかの私立に意地でも入れるしかない」みたいな。
そういうプライドがあったように思います。
でも、今は全然違います。
中学受験はもはや特別なことではなくなり、「受けるけど、受からなかったら地元中でも全然OK」っていう考え方が普通になってきました。
「中学受験=覚悟」ではなく、「中学受験=チャレンジ」という感覚が強くなっているから、
倍率も昔ほど“すべてをかけた勝負”という雰囲気ではなくなってきているのかもしれません。
結果として、「無理に受けさせない」「ご縁がなければ地元でOK」というご家庭が増え、
全体の志願者数や倍率が、少しずつ落ち着いてきているように思います。
「倍率が下がった=簡単になった」とは言えませんが、
中学受験に対する向き合い方や家庭の姿勢が、今はもっと柔軟になっている。
その変化が、データの中にもじわじわと表れてきているような気がします。
ここから先は、もっとママ目線で語ります
都立中学受験をとりまく環境や、家庭の考え方が変わってきている今。
このあとの記事では、学校ごとのちょっとした変化や、偏差値だけでは見えない受験のリアル、そして受験を終えた今だからこそ伝えたいメッセージをまとめています。
「どこを目指すか」だけでなく、「どう選ぶか」に迷う方に、少しでも届きますように──
続きは【後編】でお届けします!

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